2016年4月12日火曜日

三代目のおとうふ探訪 【沖縄県・比嘉豆腐店の島豆腐】

沖縄料理の代表格「ゴーヤーチャンプルー」などに
使われている「島豆腐」。

しっかりとした弾力にほのかな塩味。
炒め物にぴったりのボリュームのある豆腐。

















加熱せず生のまま豆乳を絞り、
地釜を使って直火炊き、
お塩とにがりをたっぷり加えて、
じっくりと時間をかけて水を切る。

手間暇かけて出来上がる本場の島豆腐の
製造現場をご厚意で拝見することが出来た。















お邪魔したのは、
沖縄県豊見城市の「比嘉豆腐店」。

海からの風が吹き抜ける、
見晴らしの良い高台の住宅街の中にある
製造所に到着した朝8時半ころには、
大きな地釜に注がれた生絞りの豆乳達が
白い泡を沸々と膨らませ、
湯気と共に香ばしいかおりを漂わせていた。

















創業70年余。
2代目店主の比嘉勝彦さんと
3代目の奥様 綾子さんが、
無駄のない身のこなしで
豆腐作りを進めてゆく。

















豆乳を直火で炊き上げているため
ひと時も窯から目が離せない。

吹きあがる寸前の状態を見定めて
綾子さんが差し水を加える。

炊きあがり、泡を取り除いた豆乳に
2代目がにがりを加えてゆく。




















鍋の中の豆乳と対話するように
にがりを加えては優しくかき混ぜる動作を
幾度も繰り返してゆく。

















2代目の手元でゆっくりと…
豆乳が豆腐へ変わってゆく。


















今まさに生まれたての「ゆし豆腐」を
味見させていただいた。






















湯気が立ち上るふわふわを口に運ぶ。                              
最初は大豆の甘み、続けて塩味…
最後に広がる地釜特有の香ばしい風味。

とうふ屋の私でさえ感動を覚えるような
出来立てゆし豆腐の旨さ。
幸せな味だ。


この後、固まったおとうふを型箱に入れる作業に入る。
島豆腐を作る大事な仕上げの工程だが、
都合で今回はここまでしか見ることが出来ず。

後ろ髪を引かれる思いで比嘉豆腐店を後にした。
























帰り際、お二人の写真を撮らせていただいた。
一生懸命に働く人は良い顔で微笑む。




















車に戻る坂道を行くと、
現地で「ヒージャーガー」と呼ばれている
湧水を溜めておく井戸を見つけた。


変わらぬ製法に変わらぬ手仕事。
青い海から採れた塩とにがり。
湧き出る清らかな水。


他では真似できない
島豆腐の旨さの神髄に
少しだけ触れられた気がした。

雨の沖縄。
後の予定はまだ未定だ…

昼飯には比嘉豆腐店の島豆腐で作った
チャンプルーを腹いっぱい食べる。
それだけは決まっていた。





比嘉豆腐店の皆様、沖縄の島豆腐に感謝。


【比嘉豆腐店】
沖縄県豊見城市豊見城159-3

店頭での豆腐販売は日曜日を除く
午後0時半~2時ごろ。
日によって早く売り切れる場合あり。

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